大安禅寺
Araki Yoshie 特別展

日時:2018年8月24日(金)~26日(日)
場所:渓仙舎 ※大安禅寺境内
入場:無料

【 御挨拶 】
渡仏して16年になります。
油絵の趣味が高じてフランス行きを決めたものの、渡仏当初の生活は厳しく、そんな中いつも応援し続けて下さったのが、渡仏前長い間勤務させて頂いた大安禅寺の御住職・副住職、その御家族やスタッフの方々です。
今回は、その大安禅寺様での2度目の個展を開催させて頂くこととなりました。

「画家たる者は、万巻の書を読み、千里の路を歩むべし」…中国・明代の文人:董其昌(とうきしょう)の言葉です。
まだまだ路の途中ですが、大好きな福井で、沢山の方に作品を見て頂ければ僥倖に存じます。是非ご来場下さい。


【 プロフィール 】
Araki Yoshie(荒木芳栄)

大安禅寺(福井市)勤務の傍ら、福井カルチャーセンターにて佐川文子氏(洋画家・一陽会会員)より油絵を習う。2002年9月渡仏。2005年ギャラリーARCK個展(パリ)を皮切りに、ヨーロッパでの個展・グループ展多数。2008年パリ・ギャラリーメタノイアと契約。フランス・アーティスト協会:Maison Des Artistes会員。




日本にいた頃、ヤマメの話を聞いたことがあります。
ヤマメは、北海道や本州などの渓流に生息する体長20センチ程の淡褐色や灰褐色をした魚です。幼魚期を終えたヤマメは、故郷の渓流で一生を終える「陸封型」と、海に出て行く「降海型」とに二分されるそうです。それが遺伝子によるものなのか、餌の多寡によるものなのかは解明されていないらしいのですが、いずれにしても故郷に留まることの出来ないものは、生きるため大海へと向かって行くのだそうです。
そして、大海で生き抜いたヤマメは、体長約60センチのサクラマスとなって生まれた川に回帰するのだそうです。

魚の絵を描く時、いつもこのヤマメの話が脳裏をよぎります。
小さなヤマメが身を翻し、光に照らされ銀色に輝きながら、果敢に大海に向かっていく様子を想像します。その姿は、話を耳にして以来、私を鼓舞し続けてくれています。
人生には環境の変化を余儀なくされることが度々ありますが、乗り越えていけば成長した自分に出会えるのだと教えてくれます。
そんな魚達は私にとって再生のシンボルでもあります。

10年ほど前から魚や鳥の絵ばかり描くようになりました。
絵を描くことは、モチーフと同化し、その本質を抽出し、心のフィルターに通したものを表現する作業です。
懸命に生きる様々な自然の姿を、描く作業を通じて見習いたいと思っています。



2018年7月吉日
フランス サンリス市にて
荒木芳栄




 
大安禅寺