「感謝と顕彰 〜笠原白翁廟所修繕竣工除幕式ご報告〜」



令和7年7月6日 日曜日、白翁居士廟所修繕竣工除幕式を無事に円成することができました。
本日は暑さはあったものの、穏やかな天候に恵まれ、遠路より多くの皆様が大安禅寺へご来山くださいました。盛会のうちに一連の行事を終えることができ、深い感謝の思いでおります。
受付が始まる頃には、来賓の皆様、参列者の皆様が続々とお越しくださり、わざわざ足をお運びいただけるそのお気持ちに、深い感謝の念を抱きました。
今回の修繕事業を機縁として、笠原白翁の子孫の方々が久方ぶりに一堂に会され、再会を喜ばれているご様子も印象的で、白翁のご縁が今もなお人を結んでいることを実感いたしました。





式典は、来賓・参列者各控室にて、発起人である笠原健様と当山副住職がご挨拶と法要の流れをご説明申し上げるところから始まりました。


まず廟所において、新たに建立された記念歌碑と、修繕を終えた廟所で、お精入れ・立柱竣工法要、そして除幕式が厳かに執り行われました。




振り返れば平成3年、健様の祖父である茂雄様と、本日ご参列くださった笠原伸和様により、白翁の父・龍斎の顕彰碑並びに廟所の修繕が行われました。それからおよそ30年を経て、今度はお孫様である健様が志を継がれ、こうして後世に白翁の功績を伝える顕彰の場が整えられたことは、まことに意義深く、尊いことと思います。




修繕後の廟所の清らかな佇まいに、皆様が深い報恩の念をもって手を合わせられるお姿がとても印象的でした。









式典の後は大安禅寺へ戻り、枯木堂にて今回ご支援くださった皆様のお名前を記した芳名帳を御本尊に奉納し、併せて諸願成就の祈祷を厳修いたしました。
法要に先立ち、ご来賓の皆様より心のこもったお祝いのご挨拶を頂戴いたしました。
まず、KMバイオロジクス株式会社 代表取締役会長・永里敏秋様より、白翁顕彰に寄せるあたたかなお言葉をいただき、大変励みとなるお言葉をいただきました。
続いて、福井大学医学部同窓会 白翁会 代表理事・北井龍平様より、ご挨拶を賜りました。
加えて、吉村司様からもご挨拶を賜りました。
吉村様は、白翁の生涯を丹念に取材し、当時の苦難や種痘普及への尽力を克明に描いた小説『雪の花』を著された作家・吉村昭様のご長男でいらっしゃり、そのご縁にふさわしい温かなお言葉を頂戴しました。




笠原家をはじめ、ご参列の皆様の各家ご先祖のご供養も行わせていただきました。








最後に、発起人である笠原健様より、この修繕プロジェクトに賛同しご支援くださった皆様への感謝の謝辞が述べられました。


式後の記念講演では、福井市立郷土歴史博物館 学芸員・山田裕輝様を講師にお迎えし、「白翁と大安禅寺」と題してご講演を頂戴いたしました。
白翁の父・龍斎の顕彰碑からその人となりを紐解き、なぜ白翁が命を懸けて種痘普及に尽力されたのか、その背景にある思想と信念を、丁寧にお話しくださいました。白翁の志の深さを知り、今回の修繕事業が果たした意義を改めて実感いたしました。


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