令和の大修理 本堂土間復原作業 日誌 2024.11.13 本堂正面土間復原 清々しい一日 山々が少しづつ色付いていきます。今日は復原修理となる箇所である本堂の正面土間打ち作業が行われました。 修理前は床板が張られ畳敷きとなっていた本堂正面(東側)でしたが、今回の修理に伴う調査の結果、当初は土間であることが判明し、大きな復原箇所でもあります。昨日から左官職人さんによって、その土間打ち作業が行われました。専門的な言葉でいうとこの作業を「土間三和土(どまたたき)」と書くそうです。その理由は、諸説あるそうですが「土」「消石灰」「天然にがり」の三つの素材を混ぜ合わせて作るところから「三和土」と書いて「たたき」と読むようになったそうです。今回使用された土は地元の織田産。その土と石灰を撹拌し混ぜ合わせ、大きく2回(2層)に分けて敷き打ち固めていきます。その上に「にがり」を撒くことで石灰と反応し更に固まっていきます。先人の知恵というのは素晴らしいですね。そして、この「にがり」もお寺近くの越前海岸(国見)に製塩所を構える「志野製塩所」さんの天然にがりです。地元の素材で修復することで大安禅寺の修理事業にも深みが増していきます。 本堂内部の木工事も順調に進んでおります。内陣(仏間)・室中(本堂中心の部屋)に使用されている木材は立派なケヤキ。仏壇のかまちも一木、室中の床板も一枚板です。これだけ立派で貴重な木材が使用されていることからも、藩主が大安禅寺建立へ込めた思いの深さが伺い知れます。
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