時代をこえて咲く、白き蓮

松平家寄進の蓮、今なお清らかに

境内の蓮池に、ことしも見事な白蓮が咲き誇っています。
夏の日差しが照りつける中、その凛とした姿はどこか涼やかで、訪れる人々の心を静かに癒してくれます。
この白蓮は、江戸時代に福井藩主・松平家より寄進されたと伝わる由緒ある蓮です。
数百年の時を越えて、変わらぬ姿で咲き続けているその姿には、自然の生命力と、人々の祈りが重ねられているように思えます。
酷暑の中にあってなお、美しく咲き誇るその花は、まるで静けさの中に凛とした意志を宿しているかのよう。
どこまでも白く、どこまでも清らかに。
それはまさに、仏教で説かれる「泥中の蓮」、すなわち、世の中の苦しみや煩悩の中にも清らかな心を咲かせる姿をそのまま映し出しているようです。

今、この蓮池の傍らに立てば、目の前に広がるのは単なる花の風景ではなく、
江戸の昔から今へと受け継がれてきた「祈りの時間」そのもの。

皆さまもぜひ、足を運ばれてみてください。
静寂と陽光に包まれる蓮池のほとりで、心がそっと整う時間が待っています。

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