本堂工事

玄関敷石

大安禅寺の本堂には、南西位置に大玄関があります。江戸当時は藩主のみが出入りされていた玄関です。その玄関の敷石は笏谷石であり、玄関前にも同石で造られた大きな手水鉢があります。
現在本堂内部の工事が順調に進んでいますが、壁塗り、木工工事と共に玄関から土間にかけての工事にも取り掛かっています。
厚みのある笏谷石の敷石は二人かかりで据えていきます。文化財修理なので建物に負荷をかけないためコンクリートなどは使わず、砂で水平を調整し定着させながら敷いていきます。
私たちも作庭するときにこの方法をよく使います。昔ながらの方法には利点も多いですね。
修理後の玄関は大変見応えのある姿になります。
特に注目していただきたいのは屋根は唐破風のこけら葺き、その上に笏谷石の石棟と鬼が設えられ、敷石、玄関前の石畳、手水鉢まですべてが笏谷石が使用されていることです。これだけの笏谷石を使用した大規模な建築物は県内にもなかなかありません。
完成が本当に楽しみです。

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