杉本知事ご来山

福井の誇りを未来へ ― 文化財修理の現場に知事ご来山

令和の大修理がつなぐ「福井の心」と「文化の灯」
先日、「令和の大修理」が進む大安禅寺に、福井県の杉本達治知事が視察にお越しくださいました。

現在、福井県では文化庁が指定する「国庫補助金・特別修理(特殊修理)」の文化財物件が、なんと二か所で同時に進められています。
それが、ここ
大安禅寺(福井市)と、西福寺(敦賀市)
一つの県で2件同時に「特殊修理」事業が行われているのは、全国的にも極めて珍しいことだそうです。

※「特殊修理」とは、文化庁の定める制度で、特に規模が大きく、歴史的価値の高い文化財建造物に対して実施される保存修理工事のこと。材料調達から技術検証、記録保存に至るまで、厳格な基準に基づいて行われます。

知事はまず茶室にて住職と懇談され、続いて私が本堂をご案内いたしました。

修理を終え復原された堂内を熱心にご覧くださり、福井藩主・松平家との深い関わりや、禅宗建築としての特徴、修理における方針などについても興味深く耳を傾けてくださいました。
大安禅寺は、福井市内で唯一の重要文化財建造物
これを未来に残し伝えていくためには、行政や専門家、地域の皆様のご支援なくしては成り立ちません。
杉本知事もそのことを深くご理解くださり、文化財保護に対する思いを共有できたことは、私にとっても非常に有意義な時間となりました。
現場では今も、職人の皆様が一日一日丁寧に作業を進めてくださっています。
その姿に触れるたび、文化財を護るということは「形を残すこと」だけでなく、心を受け継ぐことでもあると強く感じます。

この令和の大修理を通して、福井の文化がさらに誇り高く、未来へと受け継がれていくよう、私自身も一層の精進を重ねてまいります。

大安禅寺 副住職 髙橋玄峰 合掌

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