令和の大修理も日々着実に進んでおります。
今日は現場の様子を少しご紹介いたします。
まず庫裏まわりでは、足場用の基壇の造成工事が着々と進められています。砂利と鉄板にて、しっかりとした基礎をつくる大切な工程。ここが安定してこそ、後の修理も安全に行えるのです。



そして本堂の内部では、保存資料のための撮影が行われました。奈良から専門の業者様が来られ、モノクロ写真での記録作業です。
なぜデジタルではなくモノクロなのか? これは文化庁の規定によるもので、文化財の修理記録は数十年、百年先までも確実に残すことが求められるためです。モノクロの銀塩写真はデジタルデータと違い、時間が経っても劣化しにくく、将来にわたって再現性が高い記録として残せるのです。
まさに“百年の眼”としての作業であることに、改めて文化財を守る重みを感じました。



さらに、本堂の板戸に描かれている狩野元昭筆と伝わる動物たち。
経年劣化や風化により色が薄れ、普段は気づかない表情もありますが、修理を経て改めて拝見すると、その一つひとつが実に細やかに描かれていることに驚かされます。
特に写真に収めてみると、肉眼では見えにくかった色合いや線が鮮明に浮かび上がり、動物たちが今にも動き出しそうなほど生き生きと感じられるのです。











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