本堂に漂う威風と静謐
襖絵に込められた意味

本日も本堂の襖建て込み作業が順調に進んでおります。
実際に襖が収められた本堂は、かつて越前松平家ゆかりの寺院としての威風堂々とした趣を放ちつつ、同時に禅寺ならではの厳かな雰囲気を漂わせていました。
大安禅寺の襖には、それぞれに描かれた図柄や意匠に深い意味が込められています。
山水の景、羅漢の姿、自然の象り──それらは単なる装飾ではなく、禅の教えや時代背景、そして建立の意図を今に伝える大切な手がかりです。



襖一枚ひとつをとっても、その背後には物語があり、全体を通して眺めることで、大安禅寺という伽藍が持つストーリーをより豊かに味わうことができます。

今回の修復を経て、襖絵の美しさが見事によみがえりました。
いつか、これら一枚一枚に込められた意味を解説しながらご覧いただける展示・拝観の機会を設けたいと願っております。
襖が収まっていくごとに、本堂全体の姿が少しずつ整い、その重厚さと静謐さを取り戻していきます。
完成の日が待ち遠しく、同時にその歴史を未来へ伝えていく責任の重さを感じています。



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