心通わす、ひと時

秋の晴天

どこまでも突き抜けていきそうな空

このような空を見ているだけで、心がどこまでもひろくひろく広がっていくように思えて、日々の忙しさを忘れさせてくれます。

そんな中、今日は大変嬉しい再会がありました。

長年、大安禅寺の境内整備や年中行事などを加担くださり支えて下さっていた世話方様がご家族皆様と尋ねに来てくださいました。
私にとっては、お寺での日々を共に歩んできた「大切な師」のような存在です。

修行道場から戻った頃、境内や山林の仕事を一つひとつ丁寧にご指導いただきました。

段取りや技術はもちろん、自然と共に生きる感覚、その怖さ、人と人とのつながりの尊さ――言葉よりも行いをもって伝えてくださった方です。
ある時、台風の折。境内が荒れないようにと昼夜を問わず気を配り、危険を顧みず見回りをしてくださったこともありました。危ないからと断っていましたが、逆に私の仕事の甘さを叱られたこともあります。笑

私が多忙なときには、いつの間にか私の代わりに“痒いところに手が届く”ような細やかな仕事を、何も仰らずに進めてくださっていました。陰に回って見守ってくださるその姿に、どれほど助けられ、励まされたことか知れません。

口数は少なくとも、いつも行動で示される姿に、私は何度も励まされ、支えられてきました。世の中には言葉ばかりが先立つこともありますが、静かに実践する姿の尊さを、身をもって教えていただきました。
お会いできたのは久方ぶりでしたが、変わらぬ笑顔と澄んだ眼差しに、まさに無言の説法をいただいたような気がいたします。改めて、自分が守り伝えていく責務を強く感じる機会となりました。

こうして再会の場をつくってくださったご家族のご厚意にも、心より感謝申し上げます。修理が進む本堂をご一緒できたことは、何よりの喜びでした。

大安禅寺 髙橋玄峰 合掌

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