令和の大修理

令和の大修理

Cultural property repair

重要文化財大安寺本堂他7棟
保存修理事業

「全国に誇る大安禅寺 令和の大修理」
370年の祈りを未来へ
伽藍を守り伝える長期修理事業
大安禅寺は、越前松平家の永代菩提所として約370年の歴史を誇る禅寺です。戦災・震災・豪雪など幾多の試練を乗り越えてきましたが、伽藍の老朽化が進み、大規模な修理が不可欠となりました。平成30年11月より「令和の大修理」として、10年以上に及ぶ長期大事業が進められています。
― 福井市唯一の重文建造物 ―
本堂をはじめとする諸堂の多くが創建当時の姿をとどめており、平成20年にはその建物が全て国の重要文化財に指定されました。福井市では唯一の重文建造物です。
本堂ふくむ8棟の大修理事業
平成30年より国・県・市の支援のもと、創建より初めてとなる重要文化財の諸堂8棟全てを抜本的に修理する「令和の大修理」が行われています。

すでに令和4年に山門、鐘楼の修理は完了し、今年度中には本堂の修理が完了する予定ですが、これまで以上に複雑な修理工事が今後続いていきます。

庫裏(くり)、開山堂、開基堂、客寮、宝蔵、塀中門などの修理と併せて防災工事も行い現時点では、令和14年ころの完成を目指しています。
■破損状況 

本 堂※半解体
軸部の不同沈下、傾斜が見られる。北面畳廊下西側の柱が大きく沈下している。全体的に東南側に傾く傾向にあり、軸部の変形のため建具の開閉に支障をきたしている。小屋組では南面登梁の仕口に割損が見られる。床下は柱足元に継木、飼木等の調整が多い。一部にシロアリの被害も確認できた。

庫 裏(客寮など含む)※半解体
本堂同様軸部の不同沈下、傾斜が大きい。床下に湿気が籠り柱、束の足元、床組材に腐朽破損、シロアリの被害が見られる。屋根は庫裏、大廊下の取り合いが悪く雨漏りの発生が見られた。

開山堂※部分修理
現在地には大正時代に移築されている。軒廻りが垂下している。軸部足元、正面縁、木階周囲にシロアリの被害が見られる。

開基堂※部分修理
軸部の不同沈下、外部嵌板の風化、風蝕、火燈窓の漆塗装の剥落が目立つ。また、基壇敷石が大きく弛緩し、一部に割損を生じている。

鐘 楼※解体修理
基壇の石積みが孕み出し、敷石が各所で割れ、不陸を生じている。このため軸部が傾斜し、建物全体に変形が生じている。

山 門※解体修理
柱礎石、地覆石が弛緩し、不同沈下が生じている。建物は全体に背面側に傾いている。平成29年3月に南側の袖塀が倒壊した。

宝 蔵※解体修理
外部壁に亀裂、基礎張石の弛緩、割損が見られる。

塀中門※解体修理
軸部の弛緩、傾斜が見られ、足元に腐朽が見られる。鋼管の控柱で背面側への倒壊を防いでいる。

未来へ続く修理計画
大安禅寺の修理は、防災事業もふくめ、まだ7年以上の歳月を要します。本堂をはじめとする伽藍全体の保存修理は膨大な費用を伴いますが、この大事業を成し遂げて初めて、全国に誇る文化財を未来に受け継ぐことができます。

― 勧募のお願い ―

未来へと受け継ぐために
大安禅寺の「令和の大修理」は、伽藍を未来へと守り伝えるために不可欠な大事業です。しかし、その道のりは長く、修理には膨大な費用と年月を要します。これまで檀信徒の皆さまや地域の方々に支えられ、幾多の困難を乗り越えてまいりましたが、この文化財を護り次代へ託すためには、より広く多くの方々のお力添えが必要です。

私たちの願いは、全国に誇る文化財である大安禅寺を、百年、二百年先の世代へと伝えること。そのために、皆さまのお心を寄せていただければ幸いに存じます。

文化財を次代へ
修理状況を現場見学会などを通して広く地元の皆様に文化財の魅力を知っていただく活動や、お寺を活かした多彩なイベントを行い地元の皆様には身近なお寺として慕われています。

そんな大安禅寺は禅の心を現代に伝える活動を精力的に行ってきたことで、 お寺づくりに少しずつつながっていると感じています。

「令和の大修理」まとめ動画
大安禅寺公式Instagram