尽きない草と私

次から次へと生えてくる

新緑美しい季節ですが、それに従って花菖蒲の苗の間に蔓延る雑草


苗を傷付けないよう草のみを刈っていく作業は思いのほか大変です。この時期の草たちは刈っても刈っても次から次へと生えてきますので、定期的な除草作業が必須!


私たちが読経の最後必ず唱える『四弘誓願文』の一句に「煩悩無尽誓願断」という言葉が有りますが、まさしく絶えることなく生える草のように、煩悩も尽きることなく湧いてくるのが人の心です。ですから、定期的に草を刈りとる如く、湧き起こる「煩脳」をも断ち続けることが大切ですね。


この「煩悩」を仏教では「貪・瞋・痴」と言いますが、もっと平たく言いますと「何事も自分の都合を優先する心」とも言えます。人生は思い通りいかないものですが、私たちはついつい自分の思い通りに事が運ぶように考えてしまいがちです。ですが、そう簡単にいかないのが私たちの人生ですね。ですから、大事なのは一旦、自分の都合を横に置いて、今為すべき本当に大事なことを落ち着いて考える事です。それが、煩悩無尽誓願断の「断つ」に通じるものだと私は考えています。


私の場合、尽きない草を刈ることがそのまま、私の心の煩悩の草取りだと思いながら、日々掃除をしています。すると、自然と心が落ち着くものです。とにもかくにも、皆さんが喜んでくださるよう引き続き整備にも力を入れていきたいと思います。

 大安禅寺 髙橋玄峰 合掌

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